ローヤルゼリーは認知症に効果があるの?
認知症とは?
認知症は病名ではなく、認識したり判断したりする力が障害を受け、社会生活に支障をきたす状態のことをいいます。症状としては、現在の日時や自分の今いる場所が分からないなど状況判断ができない「中核症状」と、徘徊・不安・妄想・幻覚など精神的な症状が現れる「行動・心理症状」が見られます。老化による物忘れとは違い、何らかの疾患によって脳の神経細胞が減少するために起こります。
厚生労働省によると、2012年時点で日本国内の認知症患者数が462万人、2025年には700万人に達すると推計されています。認知症にはいくつかの種類がありますが、およそ60%以上が「アルツハイマー型認知症」とされています。そして、2018年時点で未だアルツハイマー型認知症の有効な治療手段は確立されていないのです。
ローヤルゼリーはアルツハイマー型認知症の予防に有効
ローヤルゼリーは、ミツバチが食べた花粉を体内で消化・分解し、頭部にある咽頭腺から分泌した乳白色でヨーグルト状の健康食品です。ビタミン・ミネラルなど豊富な栄養素を含み滋養強壮に効くことで知られていますが、継続的に摂取することでアルツハイマー型認知症の予防にも有効だと考えられているのです。
神経伝達物質「アセチルコリン」を生成する
脳内では、さまざまな神経細胞がネットワークを組み、神経伝達物質によって情報を伝え合っています。神経伝達物質の中でもアセチルコリンは、記憶力・学習力・集中力に関与し、最も重要な物質とされています。アルツハイマー型認知症の人が亡くなった後に脳を解剖したところ、アセチルコリンの活性が低くなっていたことが判明したのです。2011年時点でアルツハイマー型認知症の薬は4種類存在し、アセチルコリンを分解する酵素の働きを抑制するといった作用で、症状の進行を遅らせているのです。
ローヤルゼリーには「コリン」という成分が含まれています。コリンは、アセチルコリンの材料となる栄養素です。ローヤルゼリーを摂取することでアセチルコリンの生成を促し、アルツハイマー型認知症の発症リスクを抑えたり、進行を遅らせることができると考えられています。
抗認知症成分「ノビレチン」の効果を促進する
みかんの皮やシークァーサーに含まれる成分「ノビレチン」は、記憶障害の改善作用や、アルツハイマー型認知症の原因物質の1つである「β-アミロイド」の沈着を抑制する作用が認められています。東北大学の抗認知症機能性食品開発部門が行った実験では、アルツハイマー型認知症によって記憶力が低下したマウスにノビレチンを投与したところ、正常なマウスと同等のレベルまで記憶力が改善するほか、脳内に蓄積していたβ-アミロイドの減少も確認されたのです。また東北大学では、ノビレチンの作用を増強する天然成分を探索したところ、ローヤルゼリーにノビレチンを混合することで作用が増強されることを発見しました。
シークァーサーには、他の柑橘類のおよそ2倍から10倍ものノビレチンが含まれています(特に皮の部分に多い)。そのためローヤルゼリーの原乳をシークァーサー入りのジュースに混ぜて飲むことで、アルツハイマー型認知症の予防や進行の抑制効果が期待できると考えられているのです。
まとめ
2018年時点で、アルツハイマー型認知症の進行を抑える薬はあるものの、根本的に治療する薬は存在しません。健康食品のローヤルゼリーは、神経伝達物質・アセチルコリンの生成を促したり、アルツハイマー型認知症の進行を抑えるノビレチンの作用を増強する効果があることが確認されています。
ローヤルゼリーは天然成分で出来た健康食品です。医薬品のような副作用が無いため、日々の健康習慣として摂取することで、体に負担をかけずにアルツハイマー型認知症を予防できる可能性があるのです。