ローヤルゼリーとピルは併用しても大丈夫
ピルは、経口避妊薬として用いられるだけでなく、生理痛の改善や子宮内膜症の予防など、さまざまな用途で多くの女性が使用している医薬品です。また、健康食品のローヤルゼリーは、美容や疲労回復に効果があることから、ますます注目度が高まっています。女性の方からは、「ピルを服用しているときにローヤルゼリーを飲んでも大丈夫なの?」という声が聞かれますが、問題はないのでしょうか?
基本的には併用しても問題はない
ローヤルゼリーとは、花粉や花蜜を食べた若い働きバチが体内で消化・分解したものを、頭部にある咽頭腺という器官から分泌することでできる物質です。糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルなど、体の健康に役立つ40種類以上もの栄養素が含まれている健康食品です。
ローヤルゼリーには、疲労回復・美容効果・高血圧の予防・更年期障害の改善など、さまざまな効果が報告されています。しかし、医薬品ではなくあくまでも豊富な栄養素を含んでいる健康食品です。そのため、経口避妊薬であるピルと併用しても問題はない、とされています。
一方、ローヤルゼリーを摂取する際には、血栓の治療に用いられる医薬品「ワーファリン」との飲み合わせは避けるよう注意が促されています。ローヤルゼリーには代謝をアップして血行を促す作用があるため、歯磨き程度の小さな刺激でも出血しやすくなる可能性が出てくるためです。また、ハチミツなどのミツバチ製品にアレルギーを持っている方も注意が必要です。
ワーファリンやハチアレルギーなど、ローヤルゼリーを摂取しない方が良いケースについて、もっと詳しく知りたい方
ピルの働きとは?
ピルは、体内の女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)及び黄体ホルモン(プロゲステロン)の量を調節する働きがあります。プロゲステロンの量が増えることで、体が「既に排卵が行われた」と勘違いし、排卵を抑えることができます。その結果、精子が入ってきても卵子と出会わないため、ほぼ100%避妊することができるのです。また、ホルモンバランスを調節することで、PMS(月経前症候群)の諸症状・生理痛・貧血を改善する効果もあります。
ピルを服用するには、医師の処方箋が必要になります。ローヤルゼリーの摂取を検討されている場合は、念のため処方してもらう医師に相談しておくと、より安心して摂取できるでしょう。
ローヤルゼリーは女性ホルモンに似た働きがある?
ローヤルゼリーに含まれている脂肪酸の1種「デセン酸」は、構造がエストロゲンと類似しており、体内のエストロゲン受容体と反応して同じような作用を示します。この作用により、ローヤルゼリーは肌や髪の美容・更年期障害の改善に効果が期待できるのです。とはいえ、デセン酸の働きは、医薬品であるピルの女性ホルモン調節作用に比べればとても弱いものです。同じようにエストロゲンとよく似た働きを示す成分として、大豆に含まれるイソフラボンや、ゴマに含まれるセサミンが有名です。
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まとめ
ローヤルゼリーは、ビタミン・ミネラル・アミノ酸など豊富な栄養素を含んだ健康食品です。医薬品ではないため、経口避妊薬であるピルとの併用は、特に問題はないとされています。一方で、血栓の治療に用いられる医薬品・ワーファリンや、ハチアレルギーを持っている方は、注意が必要です。
ピルは、頭痛やむくみなどの副作用が現れる場合があります。そのようなときはローヤルゼリーの摂取も中止して、担当医師の指示を受けるようにしましょう。